「オレンジは勇気をくれる色」

戸松遥さんがソロ活動10周年を迎えるにあたって、ここまで自分が続けてこられたのはファンのみんなの声援があったから、という話をしていた。

普段の溌剌とした口調からいくらかトーンを落として話すMCを会場が見守るように聞き入っているのが印象的だった。

まあ、こうデビュー○周年ですーってときに話す決まり文句のようなものではあるのだけど、彼女のファンを自称する者がそう冷めた捉え方をしてしまうのもつまらないので、素直に受け止めさせていただこうと思う。

好きでCDを聴き、ライブを観て、こっちが勝手に楽しませてもらっているだけだというのに、それがもし少しでも彼女がステージに立つための勇気となっているのであれば、こんなに素晴らしいことはない。この空間が可能なかぎり長く続くことを祈って、戸松遥さんに届くように僕もオレンジの光を灯し続けていきたい。

自分には語彙力があまりないだとか、口下手だとか、戸松さんはそう自虐的に言うことが多々ある。たしかにスフィアの他の3人は、自分の思いを自分の言葉で伝えることが上手で、さすがはベテランアイドルといったところがあり、それらと比べてしまうとそういった面も否定できない。だが、たとえ上手いことを言えなくても、たとえ言葉足らずだったりしても、彼女のまっすぐな言葉はそれを聞く人の心をズドンと打つ。昨年のツアーファイナルで語ったスフィアへの率直な想いもまさにそうだった。

自分の気持ちを表す言葉を探して探して、やっと言葉として発する、それに至るまでの戸松遥さんの表情や仕草はとても健気でいじらしい。好き。恋に落ちてしまう。

ちなみに僕は戸松遥さんと同世代である。そして、ラブプラスなら愛花、アマガミなら絢辻さん派だ。先輩や後輩よりも同級生。

それが関係あるのかないのかは置いておくとして、同世代の彼女の言葉や行動は、自然と意識してしまう。28歳というといわゆるアラサーなのだが、そう思わせない若々しさを彼女は依然もっているし、また、これまでのキャリアで培われてきたであろう周囲の期待になんとか応えようという芯の強さを彼女はもっている。

戸松遥は太陽である。その眩しいオレンジの輝きを目にすると、僕自身のクソみたいな部分が明るみに出てしまう。こんな寝て起きて競馬見て野球見てゲームして漫画読んでまた寝るだけのクソ人間と比べてはいけないのかもしれないけど、同世代だからこそ、それでもなんとか頑張らねば……という気にさせられる。

戸松遥が太陽であれば、彼女に魅せられた人たちはひまわりである。大きな太陽はオレンジの輝きを放ち、ひまわりたちに勇気を与えてくれる。

お前もいつまでも根を張り巡らせるばかりでなく、少しは花を開くほうにエネルギーを使わんかい。

 

そんなことを思った「LAWSON presents 戸松遥 5th Live tour 2018 ~COLORFUL GIFT to YOU~ @ Zepp Nagoya」でございました。

2日間めちゃくちゃ楽しかったです。残り6公演も、俄然期待大です。